うらろじ29本目笛吹市　甲斐いちのみや　金桜園

夏を代表するフルーツ・桃。そしてワインやレーズン、ジャムなど幅広く利用される秋の味覚フルーツ・ぶどう。山梨県はどちらも生産量、日本一を誇ります。フルーツ王国「山梨」には数多くの桃・ぶどう農家さんがいらっしゃいますが、今回のうらろじ探訪は今年9月のミニバスツアーのコースの一つにもなっている笛吹市の「金桜園」さんのご紹介です。

　もともとは生産と市場への出荷のみを行っていた金桜園さん。インターネットにて宅配専門でフルーツの販売を始めたところ、そのフルーツを口にしたお客様が甘さ・美味しさに感動し、"現地に行ってフルーツ狩りを楽しみたい！"という熱い声をいただいたそう。そうしたお客様からの声を受けて、観光農園としてオープンしたのが今から約30年前。今日まで長年に渡り桃とぶどうの生産に携わり、多くのお客様に愛され続けている農園です。

　ちょうど取材に伺った7月は桃の最盛期！車を降りると桃の甘～い良い香りが漂ってきます。扱っている桃の品種は約20種類。珍しいまっ黄色の「黄美娘（きみこ）」という桃や「盤桃（ばんとう）」という偏平の形をした桃も見ることができます。残念ながら今年は異常な雨と暑さの影響を受け、黄美娘は全滅してしまったとのことですが、盤桃はしっかりと実っておりました♪桃の形に注目してください！名前の通り、平たい円形です。原産は中国で（中国語では蟠桃と書きます）、中国国内でも非常に珍しい幻の桃と呼ばれております。もともと中国では桃は不老長寿の果物、幸福のシンボルと言われ貴重な果物として扱われており、中でもこの盤桃は"孫悟空も食べた"という言い伝えがあり人気のようです。栽培するにはとても難しい品種とのことですが、金桜園のスタッフのみなさんの努力により、そのような珍しい桃を山梨県内で見られるなんて嬉しいですね。

　金桜園の敷地面積は5000坪！広い農園内にはちょうど食べごろを迎えた桃と、袋がけをされて現在成熟中の桃、そして秋に向けてこれから大きくなるぶどうなどたくさんの木が存在し、できる限り多くのお客様に美味しい桃とぶどうを楽しんでいただけるように毎日の世話が欠かせません。多い時には一日に来園者が250名に上ることもあり、桃狩り・ぶどう狩り観光に見えるお客様のご予約時間の合間や早朝の時間帯に出荷用の桃の収穫をするなど、今の時期は一年の中で一番忙しい時期とのことですが、「来園されたお客様の喜んだ顔を見られることがやりがいに繋がる」と話してくれたのは金桜園代表の堀内さん。限られた滞在時間の中でお客様に楽しんでいただけるよう、麦茶やお手拭などの準備がされていたり、おいしい桃の見分け方を丁寧に教えてもらいながら桃狩りを楽しんだりと農園の方々のちょっとした心遣いが垣間見えます。また堀内さんを始めとするスタッフのみなさんの親しみやすさも加わって、リピーターのお客様が多いというのも納得です。
どんな桃が一番甘いか聞いてみたところ、木になっていた桃が熟して自然に地面に落下した時だそうです。桃狩りの最中に運よく桃の落下に遭遇したら、それを食べてみたいですね（笑）。

【料金】
桃狩りＡコース（2個自分で採れます）1,100円（税込）
桃狩りＢコース（3~4個自分で採れます）1,600円（税込）
お楽しみコース（4~6個自分で採れます）2,160円（税込）
どのコースも試食付き。農園で洗って用意した桃をお召し上がりいただけます。