うらろじ55本目富士吉田市 こども食堂+みんなの食堂赤い屋根

地域のみんなで育む「居場所」のカタチ。
富士吉田市の中心街から少し離れた森の中に佇む、赤い屋根が目印の「宿泊複合施設 青少年センター」。
月に一度、そこには賑やかな子供たちの笑い声が溢れます。
こども食堂+みんなの食堂「赤い屋根」。
2022年2月から始まったこの活動は、単にお腹を満たす場所としてだけでなく、親子の絆や地域の交流を支える大切な拠点となっています。
今回は、青少年センターの指定管理者でもあり、みんなの食堂の運営も担う、富士北麓まちづくりネットワーク代表の飯田勇夫さん、そして現場を支えるボランティアの皆様に活動の舞台裏を伺いました。
この活動のきっかけは2022年、コロナ禍の真っ最中に遡ります。
観光業やサービス業に従事するお母さんたちの仕事が減り、特にひとり親家庭が厳しい状況に置かれていることを知った飯田さんたちは、「自分たちにできることはないか」との思いを胸に立ち上がりました。
当初は30人ほどだった参加者も、今では多い時で140人もの親子が集まる場所に成長。「こども食堂+みんなの食堂」と名付けたのは、貧困とは無縁の方も誰もが「みんな」気兼ねなく足を運べるようにという、参加者の間口を広げるための考えからです。
多くのボランティア団体が直面するのが「運営資金」の問題です。
「赤い屋根」では、持続可能な活動にするために独自の工夫を凝らしています。
その大きな柱の一つが、青少年センターとしての合宿受け入れです。
実はここ、メジャーリーグ(MLB)で活躍するスーパースター大谷翔平選手を輩出した花巻東高校野球部の合宿でも利用されており。全国レベルの運動部が利用する宿泊・食事の利益の一部を、子ども食堂の運営費にも充てています。
他にも、地元企業約20社による寄付や、利用者(大人のみ)からいただく300円の食事代などが活動を支えています。
私たち鐘山苑も、子どもたちの笑顔のために毎年お菓子の寄付を続けており、地域の一員としてこの歩みを応援しています。
厨房では、飯田さんの奥様・絹子さんをはじめとする約10名の調理スタッフが息を合わせて腕を振るいます。
「調理スタッフみんながリーダー」という意識で、100人を超える食事を提供しています。
大切にしているのは「愛情をこめた、家庭の味」。
冷凍食品は使わず、ソースひとつとってもすべて一から手作り。
皆さんの手によって、一品一品に温かな魔法がかけられていきます。
参加しているお母さんたちからは、喜びの声が届いています。
「夕飯を作らなくて済むのは本当に助かるし、何より美味しい!何度も参加させてもらっています」
昨今の物価高騰が続く中、こうして栄養たっぷりの温かい食事を安心して囲める場があることは、家庭にとって何よりの支えとなっています。
食事の後は、広い体育館で子どもたちが全力で遊ぶ時間です。
ここで活躍しているのは、昭和医科大学の学生ボランティアの皆さんです。
「子どもが好きで、顔を覚えるのも楽しい。今しかできない活動を大切にしたい」と、キラキラした笑顔で語ってくれました。
学生さんが子どもたちを自然に見守ってくれるからこそ、お母さんたちは親同士でゆっくりお喋りし、リフレッシュできる。
この「親子が少しだけ離れて、それぞれが自分らしく過ごせる時間」こそが、赤い屋根の居心地の良さを作っています。
この場所を支えているのは、特定の誰かではありません。
厨房で「家庭の味」を追求するスタッフのみなさん、遊びの場を創り出す学生たち、そしてここを訪れる親子、みんなが主役です。
その温かな輪の締めくくりとして、帰りの受付ではちょっとしたお楽しみが待っています。
この日、お土産として用意されたのは鐘山苑から寄付させていただいたお菓子でした。
「今日もお疲れ様」「また来月ね」というスタッフの声とともに手渡されるお菓子。地域企業として、こうした温かな交流の一助になれることは、私たちにとっても大きな喜びです。お家へ帰ったあとも、このお菓子を囲んで今日の楽しかった時間が話題にのぼれば......そんな願いを込めて、毎年お届けしています。
飯田さんの視線は、すでに次のステップへ向いています。現在、山梨県ボランティア協会と連携し、全国でも珍しい「宿泊版子ども食堂」の取り組みを広げており、すでに年2回の開催を実現しています。
しかし、活動が広がる一方で現実的な課題も見えてきました。拠点を置く施設は建設から50年以上が経過し、老朽化が進んでいます。今後の改修や存続のあり方については市の動向次第で、この大切な場所をどう維持していくか、未来への模索が続いています。
「地域の活性化」や「子育て支援」という大きな志を抱きながら、一歩ずつ進む「赤い屋根」。愛情たっぷりの「家庭の味」でつながるこの大切な場所が、これからも地域に在り続けるために。私たちホテル鐘山苑も、この活動を見守り、微力ながら支援を続けさせていただきます。
小さな富士吉田市に佇む赤い屋根の下に集う人々の温かい気持ちが、日本中、世界中に広がっていきますように。
2026年3月1日
※記事の内容は取材当時のもので現在とは異なる場合があります。
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富士吉田市 こども食堂+みんなの食堂赤い屋根
TEL:0555-23-7252
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| 営業時間 | 17:00~20:00 |
| 定休日 | ※開店日:毎月1回、第3金曜日 |
| 駐車場 | あり |
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